秋風は継ぎてな吹きそ海の底
沖なる玉を手に巻くまでに
- 歌の意味
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秋風よ、続けて吹かないでくれ。海の底、沖にある玉を手に巻くまでは。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1327
詞書は前の歌に続き「玉に寄す」
沖にある玉を手に巻くまでは、秋風よ続けて吹かないでくれと願う一首である。玉を恋しい女性に、秋風を恋の妨げに譬え、その人を自分のものとするまで障りがないようにと願う心が表されている。
玉に寄せる十一首の最後の歌である。風に吹かないよう願う趣向は第千三百十九首の結句「風な吹きそね」と同じで、三句「海の底」は第千三百十七首、第千三百二十三首の初句と共通する。寄玉の歌群は、第千三百十七首の海の底の白玉に始まり、この歌の沖の玉を手に巻く願いで結ばれている。作者は未詳である。
初句「秋風は」は、秋風は、の意である。
二句「継ぎてな吹きそ」は、「な〜そ」の禁止で、続けて吹かないでくれ、の意。二句切れとなる。
三句「海の底」は、「沖」にかかる枕詞である。第千三百二十三首の初句と同じ語である。
四句「沖なる玉を」は、沖にある玉を、の意で、恋しい女性を譬える。
結句「手に巻くまでに」は、手に巻くまでは、の意。倒置によって二句の願いの期限を示す。手に巻くことは第千三百二十五首、第千三百二十六首にも詠まれている。
てにまく:手に巻きつける。自分のものとすることの譬え
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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照左豆が手に巻き古す玉もがも その緒は替へて我が玉にせむ
- 次の歌
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膝に伏す玉の小琴の事なくは いたくここだく我れ恋ひめやも