我がやどに生ふるつちはり心ゆも
思はぬ人の衣に摺らゆな
- 歌の意味
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我が家の庭に生えているつちはりよ、心から思ってもいない人の衣に摺られるな。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1338
詞書は前の歌に続き「草に寄す」
我が家の庭に生えるつちはりに、心から思ってもいない人の衣に摺り付けられるなと呼びかける一首である。つちはりを家の娘に、衣に摺られることを男と結ばれることに譬え、娘が真心のない男になびくことを戒める親の立場の歌と見られる。
草に寄せる歌の一首である。三句「心ゆも」と四句の「思はぬ」は、寄木の最初の歌である本巻の第千三百五十四首にも見え、そこでは「思はぬ我れし衣に摺りつ」と、自らが衣に摺る側として詠まれている。作者は未詳である。
初句「我がやどに」は、我が家の庭に、の意である。
二句「生ふるつちはり」は、生えているつちはり、の意。つちはりはどの草を指すか未詳で、萩の類とする説などがある。
三句「心ゆも」は、心の底からも、の意。本巻の第千三百五十四首と同じ句である。
四句「思はぬ人の」は、心から思ってもいない人の、の意である。
結句「衣に摺らゆな」は、衣に摺られるな、の意。「ゆ」は受身、「な」は禁止で、草で衣を摺り染めることを男女が結ばれることに譬えている。
やど:家の庭、家の敷地
つちはり:草の名。どの草を指すか未詳
する:草木の汁を衣にすりつけて染める
- 出典
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万葉集
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葛城の高間の草野早知りて 標刺さましを今ぞ悔しき
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月草に衣色どり摺らめども うつろふ色と言ふが苦しさ