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真玉つく越智の菅原我れ刈らず
人の刈らまく惜しき菅原

歌の意味
越智の菅原を、私は刈らずにいて、他人が刈るとしたら惜しい菅原よ。
鑑賞
巻第七 譬喩歌 1341

詞書は前の歌に続き「草に寄す」
 越智の菅原を自分では刈らずにいるが、他人に刈られるのは惜しいと詠む一首である。菅原を恋しい女性に、刈ることを自分のものとすることに譬え、手を出せずにいながら他の男に取られることを惜しむ心を表している。
 草に寄せる歌の一首である。初句に続く二句と結句に「菅原」を繰り返し、惜しむ思いを強めている。作者は未詳である。

 初句「真玉つく」は、玉を緒に付ける意から、「を」の音を持つ「越智」にかかる枕詞である。
 二句「越智の菅原」は、越智の地の菅の生える原をいう。越智は大和国高市郡の地とされる。
 三句「我れ刈らず」は、私は刈らずにいて、の意である。
 四句「人の刈らまく」は、他人が刈るようなことは、の意。「まく」は推量「む」のク語法である。
 結句「惜しき菅原」は、惜しい菅原よ、の意。二句と同じ「菅原」で結ぶ体言止めである。

すがはら:菅の生い茂る野原
かる:草を刈り取る
出典
万葉集
前の歌
紫の糸をぞ我が搓るあしひきの 山橘を貫かむと思ひて
次の歌
山高み夕日隠りぬ浅茅原 後見むために標結はましを