言痛くはかもかもせむを岩代の
野辺の下草我れし刈りてば
- 歌の意味
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人の噂がうるさいのなら、どうにでもしよう。岩代の野辺の下草を、私が刈り取ったのならば。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1343
詞書は前の歌に続き「草に寄す」
岩代の野辺の下草を自分が刈り取ったのなら、人の噂がうるさくてもどうにでもしよう、と詠む一首である。人目につかない下草を人知れず思う女性に、刈ることを自分のものとすることに譬え、思いを遂げたなら噂など恐れないという強い心を表している。
草に寄せる歌の一首である。岩代は紀伊国の地名である。
三句以下を「紅の現し心や妹に逢はずあらむ」とする異伝が記されており、紅の色のようにはっきりとした正気のままで、妻に逢わずにいられようか、の意となる。作者は未詳である。
初句「言痛くは」は、人の噂がうるさいのなら、の意である。
二句「かもかもせむを」は、ああもこうもしよう、どうにでもしよう、の意。倒置により結句の条件を受けている。
三句「岩代の」は、紀伊国の岩代で、の意である。
四句「野辺の下草」は、野の草の下に隠れて生える草をいい、人目につかない恋の相手を譬える。
結句「我れし刈りてば」は、私が刈り取ったならば、の意。「し」は強意で、この句が二句に倒置でかかる。
したくさ:木や他の草の下に生える草
かもかもす:ああもこうもする、どのようにでもする
- 出典
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万葉集
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山高み夕日隠りぬ浅茅原 後見むために標結はましを
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真鳥棲む雲梯の杜の菅の根を 衣にかき付け着せむ子もがも