常ならぬ人国山の秋津野の
かきつはたをし夢に見しかも
- 歌の意味
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常ならぬ人国山の秋津野のかきつばたを、夢に見たことよ。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1345
詞書は前の歌に続き「草に寄す」
人国山の秋津野に咲くかきつばたを夢に見たと詠む一首である。美しいかきつばたを心ひかれる女性に譬え、手の届かない人を夢にまで見る思いを表している。「人国」の語から、他人の妻など自分のものにならない女性を思う歌とする見方もある。
草に寄せる歌の一首である。人国山は本巻の第千三百五首「見れど飽かぬ人国山の木の葉をし」にも詠まれており、そこでは木の葉に寄せて詠まれている。人国山、秋津野は紀伊国の地とされる。作者は未詳である。
初句「常ならぬ」は、無常である意から、「人」にかかる枕詞である。
二句「人国山の」は、紀伊国の山の名である。本巻の第千三百五首と同じ山である。
三句「秋津野の」は、人国山のふもとの秋津野の、の意である。
四句「かきつはたをし」は、かきつばたを、の意。「し」は強意である。
結句「夢に見しかも」は、夢に見たことよ、の意。「かも」は詠嘆である。
かきつはた:カキツバタ。初夏に紫の花を咲かせる
いめ:夢
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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真鳥棲む雲梯の杜の菅の根を 衣にかき付け着せむ子もがも
- 次の歌
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をみなへし佐紀沢の辺の真葛原 いつかも繰りて我が衣に着む