君に似る草と見しより我が標めし
野山の浅茅人な刈りそね
- 歌の意味
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あなたに似ている草だと見た時から、私が標を張って占めてきた野山の浅茅を、人よ、刈らないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1347
詞書は前の歌に続き「草に寄す」
あなたに似た草だと見た時から自分が標を張ってきた野山の浅茅を、他人は刈らないでほしいと詠む一首である。浅茅を恋しい人に、標を張ることを自分のものと定めることに、刈ることを他人が手に入れることに譬え、恋人を他人に奪われまいとする心を表している。
草に寄せる歌の一首である。浅茅に標を張る趣向は本巻の第千三百四十二首で標を結いそびれたことを悔やむ歌と対照をなし、次歌の第千三百四十八首も同じく標を張ったことを詠んで、二首が「標めしより」の語を共有している。作者は未詳である。
初句「君に似る」は、あなたに似ている、の意である。
二句「草と見しより」は、草だと見た時から、の意である。
三句「我が標めし」は、私が標を張って占めた、の意。次歌の二句「標めしより」と同じ語である。
四句「野山の浅茅」は、野や山に生える丈の低いチガヤをいう。本巻の第千三百四十二首の「浅茅原」と対応する。
結句「人な刈りそね」は、人よ刈らないでおくれ、の意。「な〜そね」は懇願をこめた禁止である。
しむ:標を張って自分の領分とする
あさぢ:丈の低いチガヤ
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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をみなへし佐紀沢の辺の真葛原 いつかも繰りて我が衣に着む
- 次の歌
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三島江の玉江の薦を標めしより 己がとぞ思ふいまだ刈らねど