月草に衣は摺らむ朝露に
濡れての後はうつろひぬとも
- 歌の意味
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月草で衣を摺り染めよう。朝露に濡れた後で色が褪せてしまうとしても。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1351
詞書は前の歌に続き「草に寄す」
朝露に濡れた後で色が褪せてしまうとしても、月草で衣を摺り染めようと詠む一首である。月草を心変わりしやすい恋の相手に、衣を摺ることを結ばれることに、色が移ろうことを心変わりに譬え、後に心が離れてもかまわず契りを結ぼうとする強い決意を表している。
草に寄せる歌の一首である。本巻の第千三百三十九首は同じ月草を詠みながら、移ろう色だと言われるのがつらいとためらっており、この歌はそのためらいを振り切るような対の関係にある。月草で衣を染めることは本巻の第千二百五十五首にも詠まれている。作者は未詳である。
初句「月草に」は、露草で、の意。本巻の第千二百五十五首、第千三百三十九首と同じ初句である。
二句「衣は摺らむ」は、衣を摺り染めよう、の意で、二句切れとなる。
三句「朝露に」は、朝の露に、の意である。
四句「濡れての後は」は、濡れた後では、の意である。
結句「うつろひぬとも」は、色が褪せてしまうとしても、の意。倒置により二句の決意を強めている。本巻の第千三百三十九首の四句「うつろふ色と」と対応する。
つきくさ:露草。花の汁で衣を青く染めた
うつろふ:色があせる、心変わりする
- 出典
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万葉集
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近江のや八橋の小竹を矢はがずて まことありえむや恋しきものを
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我が心ゆたにたゆたに浮蓴 辺にも沖にも寄りかつましじ