我が心ゆたにたゆたに浮蓴
辺にも沖にも寄りかつましじ
- 歌の意味
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私の心はゆらゆらと揺れ動いて、浮いている蓴菜のように、岸辺にも沖にも寄りつくことができそうにない。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1352
詞書は前の歌に続き「草に寄す」
私の心はゆらゆらと揺れて、水に浮く蓴菜のように、岸辺にも沖にも寄りつけそうにないと詠む一首である。水面に漂う蓴菜に自分の心を譬え、恋の相手に身を寄せるとも離れるとも決めかねて揺れ動く心を表している。
草に寄せる歌の最後の一首である。前歌までの多くが恋の相手を草に譬えるのに対し、この歌は自分の心を浮蓴に譬えている。「ゆたにたゆたに」の繰り返しの調べが、揺れる心をよく表している。作者は未詳である。
初句「我が心」は、私の心は、の意である。
二句「ゆたにたゆたに」は、ゆらゆらと揺れ動いて、の意。似た音を重ねて、定まらない心の様子を表している。
三句「浮蓴」は、水面に浮いている蓴菜をいい、初二句の心の様子を具体的な物に託している。
四句「辺にも沖にも」は、岸辺にも沖にも、の意である。
結句「寄りかつましじ」は、寄りつくことができそうにない、の意。「かつ」は可能、「ましじ」は打消推量である。
ぬなは:蓴菜。池沼に生える水草で、若芽を食用とする
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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月草に衣は摺らむ朝露に 濡れての後はうつろひぬとも
- 次の歌
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石上布留の早稲田を秀でずとも 縄だに延へよ守りつつ居らむ