- 歌の意味
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白菅の生える真野の榛原の榛を、心にも思っていなかった私が、衣に摺り付けてしまった。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1354
詞書「木に寄す」
真野の榛原の榛を、思いもかけなかった私が衣に摺り付けてしまったと詠む一首である。榛を恋しい女性に、衣に摺ることを結ばれることに譬え、思いがけずその人と結ばれたことを表したものと見られる。
詞書「木に寄す」のもとの最初の歌である。真野の榛原は本巻の第千百六十六首「古にありけむ人の求めつつ衣に摺りけむ真野の榛原」にも詠まれ、ともに衣に摺ることを詠んでいる。三句「心ゆも」と四句「思はぬ」は本巻の第千三百三十八首にも見え、そちらでは「思はぬ人の衣に摺らゆな」と摺られることを戒めているのに対し、この歌では自ら衣に摺っている。作者は未詳である。
初句「白菅の」は、白菅が多く生えることから、「真野」にかかる枕詞とされる。
二句「真野の榛原」は、摂津国の真野の榛の木の原をいう。本巻の第千百六十六首の結句と同じ句である。
三句「心ゆも」は、心の底からも、の意。本巻の第千三百三十八首と同じ句である。
四句「思はぬ我れし」は、思ってもいなかった私が、の意。「し」は強意である。
結句「衣に摺りつ」は、衣に摺り付けてしまった、の意。榛の実や樹皮で衣を染めることをいう。
しらすげ:菅の一種
はりはら:榛の木の生える原。榛はハンノキで、実や樹皮を染料とした
する:草木の汁を衣にすりつけて染める
- 出典
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万葉集
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石上布留の早稲田を秀でずとも 縄だに延へよ守りつつ居らむ
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