向つ峰に立てる桃の木ならむやと
人ぞささやく汝が心ゆめ
- 歌の意味
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向かいの峰に立っている桃の木は実がなるだろうかと、人がささやいている。あなたの心よ、決して油断するな。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1356
詞書は前の歌に続き「木に寄す」
向かいの峰の桃の木が実を結ぶかどうかを人々がささやいていると詠み、相手に心を緩めないよう戒める一首である。桃の木が実になることに二人の恋が成就することを譬え、世間の噂を前にして、相手の心が揺らがないよう念を押している。
詞書「木に寄す」の歌の一首である。初句「向つ峰に」は、本巻の第千三百五十九首の初句「向つ峰の」と対応し、桃の木は本巻の第千三百五十八首の「毛桃」とも通じている。作者は未詳である。
初句「向つ峰に」は、向かいの峰に、の意。本巻の第千三百五十九首の初句「向つ峰の」と対応する。
二句「立てる桃の木」は、立っている桃の木、の意で、恋の譬えとなっている。
三句「ならむやと」は、実がなるだろうか、の意。「なる」は実を結ぶことで、恋が成就することを譬えている。
四句「人ぞささやく」は、人がささやいている、の意。係助詞「ぞ」を受けて連体形「ささやく」で結び、四句切れとなる。
結句「汝が心ゆめ」は、あなたの心よ、決して、の意。「ゆめ」の後に禁止の意を含ませ、心を緩めるなと戒めている。
むかつを:向かいの峰
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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真木柱作る杣人いささめに 仮廬のためと作りけめやも
- 次の歌
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たらちねの母がそのなる桑すらに 願へば衣に着るといふものを