古典和歌stream

三国山木末に住まふむささびの
鳥待つごとく我れ待ち痩せむ

歌の意味
三国山の梢に住んでいるむささびが鳥を待つように、私はあなたを待ちながら痩せてしまうだろう。
鑑賞
巻第七 譬喩歌 1367

詞書「獣に寄す」
 三国山の梢に住むむささびが鳥を待つように、自分も相手を待ち続けて痩せてしまうだろうと詠む一首である。恋人の訪れをひたすら待ち続ける自分を、獲物の鳥を待つむささびに譬えている。
 詞書「獣に寄す」のもとの歌で、この題の歌はこの一首のみである。三国山の所在には諸説がある。作者は未詳である。

 初句「三国山」は、山の名で、所在には諸説がある。
 二句「木末に住まふ」は、梢に住んでいる、の意である。
 三句「むささびの」は、むささびが、の意である。
 四句「鳥待つごとく」は、鳥を待つように、の意。初句からここまでが結句を導く比喩となっている。
 結句「我れ待ち痩せむ」は、私は待ちながら痩せてしまうだろう、の意である。

こぬれ:木の枝の先、梢
すまふ:住み続ける
むささび:リス科の獣、木から木へ滑空する
出典
万葉集
前の歌
明日香川七瀬の淀に住む鳥も 心あれこそ波立てざらめ
次の歌
岩倉の小野ゆ秋津に立ちわたる 雲にしもあれや時をし待たむ