岩倉の小野ゆ秋津に立ちわたる
雲にしもあれや時をし待たむ
- 歌の意味
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岩倉の野から秋津へと立ちわたる雲ででもあろうか、そうではないのに、どうして時を待っていられようか。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1368
詞書「雲に寄す」
自分は岩倉の野から秋津へと立ちわたる雲でもないのに、どうして時を待っていられようかと詠む一首である。時を得て立ちわたる雲に対して、逢える時機を待ってなどいられない恋の思いを表したものと解されているが、難解な歌で諸説がある。
詞書「雲に寄す」のもとの歌で、この題の歌はこの一首のみである。秋津は吉野の地名とされ、岩倉の所在は未詳である。作者は未詳である。
初句「岩倉の」は、地名で、所在は未詳である。
二句「小野ゆ秋津に」は、野から秋津へと、の意。「ゆ」は起点を表す。
三句「立ちわたる」は、一面に立ちこめて広がる、の意である。
四句「雲にしもあれや」は、雲ででもあろうか、の意。「しも」は強意で、「や」は反語である。
結句「時をし待たむ」は、時を待っていられようか、の意。「し」は強意である。
あきづ:吉野の地名とされる
たちわたる:一面に立ちこめて広がる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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三国山木末に住まふむささびの 鳥待つごとく我れ待ち痩せむ
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天雲に近く光りて鳴る神の 見れば畏し見ねば悲しも