- 歌の意味
- 雨の中で着たわけでもないのに、不思議なことに、私の袖は乾く時がないことよ。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1371
詞書は前の歌に続き「雨に寄す」
雨の中で着たわけでもないのに、不思議にも自分の袖が乾く時がないと詠む一首である。袖を濡らすのは雨ではなく恋の涙であることを、雨に寄せて表している。
詞書「雨に寄す」の歌の一首で、前歌とともに雨を詠んでいる。作者は未詳である。
初句「ひさかたの」は、「天」「雨」などにかかる枕詞である。
二句「雨には着ぬを」は、雨の中では着ていないのに、の意。「を」は逆接である。
三句「あやしくも」は、不思議なことに、の意である。
四句「我が衣手は」は、私の袖は、の意である。
結句「干る時なきか」は、乾く時がないことよ、の意。「か」は詠嘆で、袖を濡らすものが涙であることを言外に示している。
ころもで:袖
ひる:乾く
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- はなはだも降らぬ雨故にはたづみ いたくな行きそ人の知るべく
- 次の歌
- み空行く月読壮士夕さらず 目には見れども寄るよしもなし