- 歌の意味
- 空を渡って行く月の男を、毎夕、目には見ているけれども、近寄るすべもない。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1372
詞書「月に寄す」
空を渡る月を毎夕目には見ているのに、近寄るすべもないと詠む一首である。見ることはできても手の届かない相手を月に譬え、近づけないもどかしさを表している。女性の立場の歌と見られる。
詞書「月に寄す」のもとの最初の歌で、次歌以下も月を詠んでいる。作者は未詳である。
初句「み空行く」は、空を渡って行く、の意。「み」は接頭語である。
二句「月読壮士」は、月を若い男に見立てた呼び名である。
三句「夕さらず」は、毎夕、夕方ごとに、の意である。
四句「目には見れども」は、目には見ているけれども、の意である。
結句「寄るよしもなし」は、近寄るすべもない、の意である。
つくよみをとこ:月を若い男に見立てていう語
よし:手段、方法
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- ひさかたの雨には着ぬをあやしくも 我が衣手は干る時なきか
- 次の歌
- 春日山山高くあらし岩の上の 菅の根見むに月待ちかたし