朝霜の消やすき命誰がために
千年もがもと我が思はなくに
- 歌の意味
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朝霜のように消えやすい命であるのに、ほかの誰のために千年も生きたいと私が思うだろうか、そうは思わないのに。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1375
詞書は前の歌に続き「月に寄す」
朝霜のように消えやすい命であるが、ほかの誰のためにも千年も生きたいとは思わないと詠む一首である。長く生きたいと願うのはほかならぬ相手のためであるという、ひたむきな思いを表している。
詞書「月に寄す」の歌の最後に置かれている。左注に「右の一首は譬喩歌の類にあらず。ただし闇夜の歌の人、所心の故に並せてこの歌を作る。因りてこの歌をもちてこの次に載す」とあり、この歌は譬喩歌の類ではないが、前歌の闇夜の歌の作者が思うところがあってあわせて作ったので、ここに載せたという。作者は未詳である。
初句「朝霜の」は、朝霜が消えやすいことから「消」にかかる枕詞である。
二句「消やすき命」は、消えやすい命、の意である。
三句「誰がために」は、誰のために、の意である。
四句「千年もがもと」は、千年も生きたいと、の意。「もがも」は願望を表す。
結句「我が思はなくに」は、私は思わないのに、の意。「なくに」は打消に詠嘆を込めた言い方である。
ちとせ:千年、長い年月
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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闇の夜は苦しきものをいつしかと 我が待つ月も早も照らぬか
- 次の歌
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大和の宇陀の真埴のさ丹付かば そこもか人の我を言なさむ