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大和の宇陀の真埴のさ丹付かば
そこもか人の我を言なさむ

歌の意味
大和の宇陀の赤土の赤い色が衣に付いたならば、そのことでも人は私のことを噂に立てるだろうか。
鑑賞
巻第七 譬喩歌 1376

詞書「赤土に寄す」
 大和の宇陀の赤土の色が衣に付いたならば、それだけでも人は自分のことを噂するだろうか、と詠む一首である。宇陀の良質の赤土を女性に、その色が衣に付くことを女性と契りを結ぶことに譬え、関係を持てばすぐに噂になることを恐れる心を表したものとされる。
 詞書「赤土に寄す」のもとの一首である。四句と結句の「か人の我を言なさむ」は、本巻の第千三百二十九首の「引かばか人の我を言なさむ」と同じ言い回しで、いずれも人の噂を恐れる譬喩歌となっている。作者は未詳である。

 初句「大和の」は、大和国の、の意で、四音の字足らずの句である。
 二句「宇陀の真埴の」は、宇陀の地の良質の赤土の、の意。宇陀は大和の東部の地で、赤土の産地であった。
 三句「さ丹付かば」は、赤い色が付いたならば、の意で、女性と契りを結ぶことを譬えている。
 四句「そこもか人の」は、そのことでも人が、の意。係助詞「か」は結句の連体形「なさむ」と呼応する。
 結句「我を言なさむ」は、私のことを噂に立てるだろうか、の意。本巻の第千三百二十九首と同じ結句である。

まはに:質のよい赤土
さに:赤い色
ことなす:言葉に出して言いふらす、噂に立てる
出典
万葉集
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