明日香川瀬々に玉藻は生ひたれど
しがらみあれば靡きあはなくに
- 歌の意味
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明日香川の瀬ごとに美しい藻は生えているけれど、しがらみがあるので、靡き合わないことよ。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1380
詞書は前の歌に続き「河に寄す」
明日香川の瀬ごとに美しい藻は生えているが、しがらみがあるので互いに靡き合うことがない、と詠む一首である。玉藻を思い合う二人に、しがらみを二人の仲を隔てる妨げに譬え、心を通わせながらも結ばれない嘆きを表したものとされる。
前歌に続いて明日香川を詠む一首である。前歌が川の淀むことを恐れるのに対し、この歌では流れをせき止めるしがらみが恋の妨げとして詠まれている。作者は未詳である。
初句「明日香川」は、前歌の二句「明日香の川の」と対応する。
二句「瀬々に玉藻は」は、瀬ごとに美しい藻は、の意である。
三句「生ひたれど」は、生えているけれど、の意である。
四句「しがらみあれば」は、しがらみがあるので、の意で、二人の仲を隔てる妨げを譬えている。
結句「靡きあはなくに」は、靡き合わないことよ、の意。「なくに」は打消しに詠嘆を込める。
たまも:美しい藻
しがらみ:川の流れをせき止めるために杭を打ち、柴などを絡ませたもの
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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絶えず行く明日香の川の淀めらば 故しもあるごと人の見まくに
- 次の歌
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広瀬川袖漬くばかり浅きをや 心深めて我が思へるらむ