水隠りに息づきあまり早川の
瀬には立つとも人に言はめやも
- 歌の意味
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水の中に隠れているように心に秘めて、ため息をつききれないほど苦しくても、たとえ流れの速い川の瀬に立つような目にあおうとも、人に言うだろうか、言いはしない。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1384
詞書は前の歌に続き「河に寄す」
水の中に隠れるように恋を秘めて、ため息をつききれないほど苦しくても、たとえ早瀬に立つような目にあっても、人には決して言わない、と詠む一首である。水に潜って息苦しいさまを秘めた恋の苦しさに、早川の瀬に立つことを身の危うさに譬え、恋を人に明かすまいとする固い心を表している。
河に寄す歌の最後の一首で、前歌の人に知られまいとして心をせき止める歌に続き、どれほど苦しくても人には言わないと誓っている。作者は未詳である。
初句「水隠りに」は、水の中に隠れて、の意で、恋を心に秘めることを譬えている。
二句「息づきあまり」は、ため息をつききれないほどに、の意である。
三句「早川の」は、流れの速い川の、の意である。
四句「瀬には立つとも」は、瀬に立つことがあっても、の意で、危うい目にあうことを譬えている。
結句「人に言はめやも」は、人に言うだろうか、言いはしない、の意。「めやも」は反語である。
みごもり:水の中に隠れること
いきづく:ため息をつく
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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嘆きせば人知りぬべみ山川の たぎつ心を塞かへてあるかも
- 次の歌
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真鉋持ち弓削の川原の埋れ木の あらはるましじきことにあらなくに