真鉋持ち弓削の川原の埋れ木の
あらはるましじきことにあらなくに
- 歌の意味
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鉋を持って削るという弓削の川原の埋もれ木のように、いつまでも現れないはずのことではないのに。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1385
詞書「埋れ木に寄す」
弓削の川原の埋もれ木がいつかは現れるように、隠している恋もいつまでも現れないはずのことではないのに、と詠む一首である。土に埋もれた木を人に隠している恋に譬え、秘めた恋もいずれは人に知られることを思う心を表している。
詞書「埋れ木に寄す」のもとの一首である。前の河に寄す歌が人に知られまいとする心を詠むのに続き、この歌では隠しおおせない恋が詠まれている。弓削は河内の地名である。作者は未詳である。
初句「真鉋持ち」は、鉋を持って削る意から「弓削」にかかる枕詞である。
二句「弓削の川原の」は、河内の弓削の川原の、の意である。
三句「埋れ木の」は、埋もれ木のように、の意。初句からここまでが四句の「あらはる」を導く序詞となっている。
四句「あらはるましじき」は、現れるはずのない、の意で、字余りの句である。「ましじ」は打消しの推量である。
結句「ことにあらなくに」は、ことではないのに、の意で、打消しに詠嘆を込めている。
まかな:鉋の美称
うもれぎ:土や水の中に長く埋もれていた木
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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水隠りに息づきあまり早川の 瀬には立つとも人に言はめやも
- 次の歌
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大船に真楫しじ貫き漕ぎ出なば 沖は深けむ潮は干ぬとも