大船に真楫しじ貫き漕ぎ出なば
沖は深けむ潮は干ぬとも
- 歌の意味
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大船に左右の櫂をたくさん取り付けて漕ぎ出したならば、沖は深いだろう。たとえ潮が引いても。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1386
詞書「海に寄す」
大船に櫂をたくさん取り付けて漕ぎ出したならば、たとえ潮が引いても沖は深いだろう、と詠む一首である。大船で漕ぎ出すことを思い切って恋に踏み出すことに、沖の深さを二人の仲の深さに譬えたものと見られる。
詞書「海に寄す」のもとの最初の歌で、ここから六首が海に寄せた歌である。初句「大船に」は本巻の第千二百五十四首と同じである。作者は未詳である。
初句「大船に」は、大きな船に、の意である。
二句「真楫しじ貫き」は、左右の櫂をたくさん取り付けて、の意である。
三句「漕ぎ出なば」は、漕ぎ出したならば、の意で、思い切って恋に踏み出すことを譬えている。
四句「沖は深けむ」は、沖は深いだろう、の意で、四句切れとなる。
結句「潮は干ぬとも」は、たとえ潮が引いても、の意で、倒置の形となっている。
まかぢ:船の左右両舷にそろった櫂
しじぬく:たくさん取り付ける
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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真鉋持ち弓削の川原の埋れ木の あらはるましじきことにあらなくに
- 次の歌
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伏越ゆ行かましものをまもらふに うち濡らさえぬ波数まずして