沖つ波寄する荒磯のなのりそは
心のうちに障みとなれり
- 歌の意味
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沖の波が打ち寄せる荒磯のなのりそは、心の中で差し障りとなっている。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1395
詞書は前の歌に続き「藻に寄す」
沖の波が打ち寄せる荒磯のなのりそが、心の中で差し障りとなっている、と詠む一首である。なのりそに「名告りそ(名を告げるな)」の意を掛け、相手の名を人に告げるなと言われたことが心の中のはばかりとなって、恋の思いを表に出せない心を表したものとされる。
藻に寄す歌の二首目で、次歌もなのりそを詠んでいる。前歌の磯の草に続き、荒磯に生えるなのりそが取り上げられている。作者は未詳である。
初句「沖つ波」は、沖の波、の意である。
二句「寄する荒磯の」は、打ち寄せる荒磯の、の意で、字余りの句である。
三句「なのりそは」は、海藻のホンダワラをいい、「名告りそ」の意を掛けている。次歌の三句にも見える語である。
四句「心のうちに」は、心の中で、の意である。
結句「障みとなれり」は、差し障りとなっている、の意である。
ありそ:岩が多く波の荒い磯
なのりそ:海藻のホンダワラの古名と、「名告りそ」(名を告げるな)の意を掛ける
つつみ:差し障り、はばかること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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潮満てば入りぬる磯の草なれや 見らく少く恋ふらくの多き
- 次の歌
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紫の名高の浦のなのりその 磯に靡かむ時待つ我れを