- 歌の意味
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楽浪の志賀津の浦で舟に乗るように、私の心に乗ってしまったあの人のことが、いつも忘れられない。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1398
詞書「船に寄す」
志賀津の浦で舟に乗るように、心に乗りかかってしまった人のことがいつも忘れられないと詠む一首である。舟に乗ることを、恋しい人が自分の心に乗って離れないことに譬え、忘れられない恋心を表している。
詞書「船に寄す」のもとの最初の歌である。次歌も四句が「乗りにし心」で、舟に乗ることから心に乗ることへ転じる同じ趣向の歌が二首並んでいる。志賀津は本巻の第千二百五十三首にも「楽浪の志賀津の海人は」と詠まれている。作者は未詳である。
初句「楽浪の」は、琵琶湖南西岸一帯の古い地名である。本巻の第千二百五十三首と同じ初句である。
二句「志賀津の浦の」は、近江の志賀津の浦の、の意である。
三句「舟乗りに」は、舟に乗るように、の意。上三句が「乗り」を導く序詞となっている。
四句「乗りにし心」は、心に乗ってしまった、の意で、恋しい人が心に乗りかかって離れないことをいう。次歌の四句と同じ句である。
結句「常忘らえず」は、いつも忘れることができない、の意である。
ふなのり:舟に乗ること、船出
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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荒磯越す波は畏ししかすがに 海の玉藻の憎くはあらずて
- 次の歌
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百伝ふ八十の島廻を漕ぐ舟に 乗りにし心忘れかねつも