百伝ふ八十の島廻を漕ぐ舟に
乗りにし心忘れかねつも
- 歌の意味
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数多くの島々をめぐって漕いでゆく舟に乗るように、私の心に乗ってしまったあの人のことが忘れられないことよ。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1399
詞書は前の歌に続き「船に寄す」
多くの島々をめぐって漕ぐ舟に乗るように、心に乗ってしまった人のことが忘れられないと詠む一首である。前歌と同じく、舟に乗ることを恋しい人が心に乗って離れないことに譬えている。
船に寄せる歌の二首目である。四句「乗りにし心」は前歌と同じで、前歌が近江の志賀津の浦を詠むのに対し、この歌は多くの島々をめぐる海の舟を詠み、同じ趣向を場面を替えて繰り返している。作者は未詳である。
初句「百伝ふ」は、百へと数え伝って至る意から、「八十」にかかる枕詞である。
二句「八十の島廻を」は、多くの島々の周りを、の意である。
三句「漕ぐ舟に」は、漕いでゆく舟に、の意。上三句が「乗り」を導く序詞となっている。
四句「乗りにし心」は、心に乗ってしまった、の意で、前歌の四句と同じ句である。
結句「忘れかねつも」は、忘れられないことよ、の意。前歌の結句「常忘らえず」と同じ思いを詠嘆を込めて表している。
しまみ:島の周り、島めぐり
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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楽浪の志賀津の浦の舟乗りに 乗りにし心常忘らえず
- 次の歌
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島伝ふ足早の小舟風まもり 年はや経なむ逢ふとはなしに