水霧らふ沖つ小島に風をいたみ
舟寄せかねつ心は思へど
- 歌の意味
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水しぶきが霧のように立ちこめる沖の小島に、風が激しいので、舟を寄せることができないでいる。心では思っているけれど。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1401
詞書は前の歌に続き「船に寄す」
水しぶきにかすむ沖の小島に、風が激しいので舟を寄せられないでいる、心では寄せたいと思っているのに、と詠む一首である。沖の小島を思う女性に、激しい風を二人の間の障りに譬え、近づきたくても近づけない恋のもどかしさを表したものと見られる。
船に寄せる歌の四首目である。前歌が風待ちをする小舟を詠むのに続き、この歌は風に阻まれて島に寄れない舟を詠んでおり、どちらも風を恋の障りとしている。作者は未詳である。
初句「水霧らふ」は、水しぶきが霧のように立ちこめる、の意である。
二句「沖つ小島に」は、沖の小島に、の意で、思う女性を譬えている。
三句「風をいたみ」は、風が激しいので、の意。「を〜み」で原因を表し、字余りの句である。
四句「舟寄せかねつ」は、舟を寄せることができないでいる、の意で、四句切れとなる。
結句「心は思へど」は、心では思っているけれど、の意で、倒置によって思いの強さを添えている。
みなぎらふ:水しぶきが霧のように立ちこめる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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島伝ふ足早の小舟風まもり 年はや経なむ逢ふとはなしに
- 次の歌
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こと放けば沖ゆ放けなむ港より 辺著かふ時に放くべきものか