隠口の泊瀬の山に霞立ち
たなびく雲は妹にかもあらむ
- 歌の意味
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泊瀬の山に霞が立ち、たなびいている雲は、亡き妻であろうか。
- 鑑賞
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巻第七 挽歌 1407
詞書なし(挽歌の部)
泊瀬の山に霞が立ち、たなびいている雲は亡き妻なのだろうかと詠む一首である。泊瀬は葬送の地とされ、山にたなびく雲に、火葬の煙となって立ちのぼった妻の姿を重ねて見ていると解されている。
挽歌の部の四首目である。次歌も「こもりくの泊瀬の山に」と詠んでおり、泊瀬の山を詠む挽歌が二首並んでいる。巻第三の第四百二十八首にも、泊瀬の山にただよう雲を亡き人かと見る歌がある。作者は未詳である。
初句「隠口の」は、山に囲まれた隠れた地の意から、「泊瀬」にかかる枕詞である。次歌の三句と同じである。
二句「泊瀬の山に」は、大和の泊瀬の山に、の意で、次歌の四句と同じ句である。
三句「霞立ち」は、霞が立って、の意である。
四句「たなびく雲は」は、横に長く引いている雲は、の意で、火葬の煙を思わせる。
結句「妹にかもあらむ」は、妻であろうか、の意。「か」は疑問、「も」は詠嘆を表す。
はつせ:大和の地名、今の奈良県桜井市初瀬
たなびく:雲や霞が横に長く引く
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋津野に朝居る雲の失せゆけば 昨日も今日もなき人思ほゆ
- 次の歌
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たはことかおよづれことかこもりくの 泊瀬の山に廬りせりといふ