世間はまこと二代はゆかざらし
過ぎにし妹に逢はなく思へば
- 歌の意味
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この世は、まことに二度と生を繰り返すことはないらしい。死んでしまった妻に逢えないことを思うと。
- 鑑賞
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巻第七 挽歌 1410
詞書なし(挽歌の部)
死んでしまった妻に二度と逢えないことを思うと、この世はまことに二度と生を繰り返すことはないらしいと詠む一首である。妻の死を通して、人の生は一度きりであるという世の定めを思い知らされた嘆きが表れている。
挽歌の部の七首目である。前歌が帰らぬ妻を待つ心を詠むのに続き、この歌は妻に逢えないことから世の定めに思い至っている。作者は未詳である。
初句「世間は」は、この世は、の意である。
二句「まこと二代は」は、まことに二度の生は、の意である。
三句「ゆかざらし」は、繰り返すことはないらしい、の意で、「ゆかざるらし」のつづまった形。三句切れとなる。
四句「過ぎにし妹に」は、死んでしまった妻に、の意で、「過ぐ」は死ぬことを婉曲にいう。
結句「逢はなく思へば」は、逢えないことを思うと、の意で、倒置によって三句の理由を示している。
よのなか:この世、世の中
ふたよ:二度の生、二つの世
すぐ:死ぬことを婉曲にいう
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋山の黄葉あはれとうらぶれて 入りにし妹は待てど来まさず
- 次の歌
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幸はひのいかなる人か黒髪の 白くなるまで妹が声を聞く