我が背子をいづち行かめとさき竹の
そがひに寝しく今し悔しも
- 歌の意味
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私の夫がどこへ行くものかと思って、背を向け合って寝たことが、今となっては悔しい。
- 鑑賞
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巻第七 挽歌 1412
詞書なし(挽歌の部)
夫がどこへも行くはずはないと思って、背を向けて寝たことが今となっては悔しいと詠む一首である。夫を亡くした妻の立場の歌で、いつまでも共にいられると思っていたころのささいな振る舞いを悔やむ心が表れている。
挽歌の部の九首目である。これまでの歌が亡き妻を思う男性の立場であるのに対し、この歌は亡き夫を思う女性の立場から詠まれている。作者は未詳である。
初句「我が背子を」は、私の夫を、の意で、女性の立場から詠んでいる。
二句「いづち行かめと」は、どこへ行くものかと思って、の意。「め」は推量で、反語となっている。
三句「さき竹の」は、割った竹の、の意で、割った竹が背中合わせになることから「そがひ」にかかる枕詞である。
四句「そがひに寝しく」は、背を向け合って寝たことが、の意である。
結句「今し悔しも」は、今となっては悔しいことよ、の意である。
せこ:女性が夫や恋人を親しんでいう語
さきたけ:割った竹
そがひ:背中合わせ、後ろの方
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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幸はひのいかなる人か黒髪の 白くなるまで妹が声を聞く
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庭つ鳥鶏の垂り尾の乱れ尾の 長き心も思ほえぬかも