玉梓の妹は花かもあしひきの
この山蔭に撒けば失せぬる
- 歌の意味
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妻は花なのだろうか。この山の陰に撒くと、消えてしまった。
- 鑑賞
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巻第七 挽歌 1416
詞書「或る本の歌に曰く」
妻は花なのだろうか、この山陰に撒くと消えてしまったと詠む一首である。前歌と同じく、火葬した妻の骨を山に撒いたことを詠んだものと解され、散ってはかなく消えてゆく姿を花にたとえている。
詞書「或る本の歌に曰く」は、ある本にはこのようにあるという意で、前歌の異伝である。前歌の「玉」が「花」、「清き山辺」が「この山蔭」、「散りぬる」が「失せぬる」となっている。作者は未詳である。
初句「玉梓の」は、ここでは「妹」にかかる枕詞で、前歌の初句と同じである。
二句「妹は花かも」は、妻は花なのだろうか、の意で、二句切れとなる。前歌の「妹は玉かも」と対応する。
三句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞で、前歌の三句と同じである。
四句「この山蔭に」は、この山の陰に、の意。前歌の「清き山辺に」と対応する。
結句「撒けば失せぬる」は、撒くと消えてしまった、の意。前歌の「撒けば散りぬる」と対応する。
やまかげ:山の陰になったところ
うす:消える、なくなる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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玉梓の妹は玉かもあしひきの 清き山辺に撒けば散りぬる
- 次の歌
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名児の海を朝漕ぎ来れば海中に 鹿子ぞ鳴くなるあはれその鹿子