あしひきの山桜花日並べて
かく咲きたらばいたく恋ひめやも
- 歌の意味
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山桜の花が、幾日も続けてこのように咲いているのなら、これほどひどく恋しく思うだろうか、いや思いはしない。
- 鑑賞
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巻第八 春雑歌 1425
詞書は前の歌に続き「山部宿禰赤人の歌四首」
山桜が何日も咲き続けてくれるなら、これほど恋しく思うことはないだろうと、花の命の短さを惜しむ歌である。すぐに散ってしまうからこそ深く心ひかれるという、桜への愛惜の情が表されている。
作者の山部赤人は、奈良時代前期の宮廷歌人である。清らかな叙景歌にすぐれ、後世、柿本人麻呂と並び称された。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「山桜花」は、山に咲く桜の花で、一首の主題を名詞で示す。
三句「日並べて」は、日を重ねて、幾日も続けての意である。花の盛りが短いことが前提となっている。
四句「かく咲きたらば」は、このように咲いているならばという仮定である。目の前の満開の桜を「かく」で指し示している。
結句「いたく恋ひめやも」は、推量の「め」に反語の「やも」を添え、これほど恋しく思うだろうか、いや思わないと打ち消す。反語によって、実際には散るからこそ恋しいという思いを逆に浮かび上がらせている。
ひならぶ:日を重ねる、幾日も続ける
- 作者
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山部赤人
- 出典
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万葉集
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春の野にすみれ摘みにと来し我れぞ 野をなつかしみ一夜寝にける
- 次の歌
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我が背子に見せむと思ひし梅の花 それとも見えず雪の降れれば