うち上る佐保の川原の青柳は
今は春へとなりにけるかも
- 歌の意味
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川をさかのぼって行く佐保の川原の青柳は、今はすっかり春の装いになったことだなあ。
- 鑑賞
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巻第八 春雑歌 1433
詞書は前の歌に続き「大伴坂上郎女の柳の歌二首」
佐保川の川原の青柳が、今はすっかり春らしい姿になったと詠む歌である。前歌で見たいと願った佐保の柳が、春を迎えて芽吹いた様子を思い描き、季節の移ろいを感慨深く受けとめている。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。大伴家持の叔母であり、のちに姑ともなった。万葉集に多くの歌を残す女性歌人である。
初句「うち上る」は、川をさかのぼって行くの意で、佐保川の上流へと向かう道筋を示す。
二句「佐保の川原の」は、大伴氏の邸宅があった佐保を流れる川の川原である。
三句「青柳は」は、前歌の「青柳を」を受け、二首が同じ柳をめぐって連なっている。
四句「今は春へと」の「春へ」は、春のころの意で、柳が春の姿になったことをいう。
結句「なりにけるかも」は、完了の「ぬ」、詠嘆の「けり」、終助詞「かも」を重ねて感動を表す。この結句は巻頭の第千四百十八首と同じで、いずれも春の到来への感慨を詠んでいる。
うちのぼる:川をさかのぼって行く
はるへ:春のころ、春の時分
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が背子が見らむ佐保道の青柳を 手折りてだにも見むよしもがも
- 次の歌
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霜雪もいまだ過ぎねば思はぬに 春日の里に梅の花見つ