霜雪もいまだ過ぎねば思はぬに
春日の里に梅の花見つ
- 歌の意味
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霜や雪もまだ消え去っていないのに、思いがけず、春日の里で梅の花を見たことだ。
- 鑑賞
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巻第八 春雑歌 1434
詞書「大伴宿禰三林の梅の歌一首」
霜や雪がまだ残る時節に、思いがけず春日の里で梅の花に出会った驚きと喜びを詠んだ歌である。冬の名残の中でいち早く春を告げる梅の姿が、素直な言葉でとらえられている。
作者の大伴三林は、大伴氏の一族とみられるが、詳しい経歴は伝わらない。
初句「霜雪も」は、冬の名残である霜と雪を並べて示す。
二句「いまだ過ぎねば」の「ねば」は、ここでは〜ないのにという逆接の意で、まだ冬が去っていないことを表す。
三句「思はぬに」は、思いがけずの意で、梅に出会った驚きを示す。
四句「春日の里に」は、奈良の春日山のふもとの里である。本巻では次に続く第千四百三十七首、第千四百三十八首も「春日の里の梅の花」を詠み、春日の梅の歌が並んでいる。
結句「梅の花見つ」は、完了の「つ」で、確かに見たことを言い切る。冬の中に春を見つけた喜びが簡潔に表れている。
かすが:奈良市東部、春日山のふもと一帯
- 作者
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大伴三林
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うち上る佐保の川原の青柳は 今は春へとなりにけるかも
- 次の歌
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かはづ鳴く神奈備川に影見えて 今か咲くらむ山吹の花