含めりと言ひし梅が枝今朝降りし
沫雪にあひて咲きぬらむかも
- 歌の意味
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まだつぼみだと言っていた梅の枝は、今朝降った淡雪にあって、もう咲いてしまっただろうか。
- 鑑賞
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巻第八 春雑歌 1436
詞書「大伴宿禰村上の梅の歌二首」
まだつぼみだと聞いていた梅の枝が、今朝降った淡雪に誘われて咲いたのではないかと思いやる歌である。雪を花を咲かせるきっかけとしてとらえ、春を待つ心の弾みを表している。
作者の大伴村上は、大伴氏の一族で、奈良時代の官人である。
初句「含めりと」の「含む」は、花がつぼみのままでいることである。本巻の第千六百四十八首は「ふふめらずして」と、つぼみを経ずに梅が咲くさまを詠んでおり、この歌と対照をなす。
二句「言ひし梅が枝」は、過去の「し」で、人から聞いていた梅の枝であることを示す。
三句「今朝降りし」は、今朝の雪を示し、時の移り変わりを具体的にとらえる。
四句「沫雪にあひて」は、淡雪に出会っての意で、雪を梅の開花を促すものとして描く。本巻の第千六百四十一首にも、淡雪に降られて咲いた梅が詠まれている。
結句「咲きぬらむかも」は、完了の「ぬ」と現在推量の「らむ」に「かも」を添え、もう咲いたことだろうかと推し量る心を表している。
ふふむ:花がつぼみのままでいる
- 作者
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大伴村上
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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かはづ鳴く神奈備川に影見えて 今か咲くらむ山吹の花
- 次の歌
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霞立つ春日の里の梅の花 山のあらしに散りこすなゆめ