山吹の咲きたる野辺のつほすみれ
この春の雨に盛りなりけり
- 歌の意味
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山吹の咲いている野辺のつぼすみれは、この春の雨を受けて、今が盛りであったことだ。
- 鑑賞
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巻第八 春雑歌 1444
詞書「高田女王の歌一首[高安の女なり]」
山吹の咲く野辺で、つぼすみれが春の雨を受けて盛りを迎えていると詠む歌である。山吹の黄とすみれの紫、そして雨にしっとり濡れた野の情景が、色彩豊かに描かれている。
作者の高田女王は、題詞の注に高安王の娘とある女性である。
初句「山吹の」は、野辺に咲く山吹の花を示す。本巻の第千四百三十五首にも山吹が詠まれ、そちらは川に映る姿、この歌は野に咲く姿をとらえている。
二句「咲きたる野辺の」は、存続の「たり」で、山吹が咲いている野辺であることを示す。
三句「つほすみれ」は、野に咲くすみれの一種である。同じ語は本巻の第千四百四十九首にもあり、そちらでは盛りのすみれが恋心の盛りのたとえとされている。
四句「この春の雨に」は、字余りの句で、すみれを潤す春の雨を示す。
結句「盛りなりけり」は、詠嘆の「けり」で、すみれが盛りであることに気づいた感動を表している。
つほすみれ:すみれの一種、たちつぼすみれとされる
- 作者
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高田女王
- 出典
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万葉集
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霞立つ野の上の方に行きしかば 鴬鳴きつ春になるらし
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風交り雪は降るとも実にならぬ 我家の梅を花に散らすな