風交り雪は降るとも実にならぬ
我家の梅を花に散らすな
- 歌の意味
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風に交じって雪が降ろうとも、まだ実を結ばない我が家の梅を、花のうちに散らさないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第八 春雑歌 1445
詞書「大伴坂上郎女の歌一首」
風まじりの雪が降っても、まだ実を結ばない我が家の梅を、花のうちに散らさないでほしいと願う歌である。梅を年頃の娘にたとえ、まだ縁を結ばない娘の身を気づかう母の心を託したものとも解されている。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。大伴家持の叔母であり、のちに姑ともなった。万葉集に多くの歌を残す女性歌人である。
初句「風交り」は、風に雪が交じって吹きつけるさまを示す。
二句「雪は降るとも」は、逆接の仮定で、たとえ雪が降っても、の意である。
三句「実にならぬ」は、まだ実を結ばないの意である。本巻の第千四百六十三首では「花のみに咲きて」「実にならじかも」と、花と実の対比で恋の成就が詠まれており、同じ趣向が響き合う。
四句「我家の梅を」は、自分の家の梅を示し、身近な者を思う気持ちをにじませる。
結句「花に散らすな」は、禁止の「な」で、花のまま散らさないでくれと強く願っている。
わぎへ:我が家
み:果実、ここでは実を結ぶこと
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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山吹の咲きたる野辺のつほすみれ この春の雨に盛りなりけり
- 次の歌
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春の野にあさる雉の妻恋ひに おのがあたりを人に知れつつ