波の上ゆ見ゆる小島の雲隠り
あな息づかし相別れなば
- 歌の意味
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波の上に見える小島が雲に隠れるように、ああため息が出ることだ、あなたと別れてしまったならば。
- 鑑賞
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巻第八 春相聞 1454
詞書は前の歌に続き「天平五年癸酉の春閏三月、笠朝臣金村の入唐使に贈る歌一首[并せて短歌]」の反歌
波の上に見える小島が雲に隠れていくように、別れてしまえばため息ばかりが出るだろうと、旅立つ人との別れを嘆く歌である。天平五年(733)に唐へ向かう遣唐使に贈った長歌、第千四百五十三首の反歌で、長歌が船出の無事を祈ったのを受け、別れの悲しみを小島の景に託している。
作者の笠金村は奈良時代前期の宮廷歌人で、天皇の行幸に従って多くの歌を詠んだ。
初句「波の上ゆ」の「ゆ」は、〜を通しての意で、波越しに見える景を示す。
二句「見ゆる小島の」は、遠く見える小さな島である。
三句「雲隠り」は、小島が雲に隠れるさまで、初句からここまでが遠ざかる船の姿を思わせつつ、四句の嘆きを導いている。
四句「あな息づかし」は、感動詞「あな」で、ああため息が出ることだと嘆き、ここで句切れとなる。
結句「相別れなば」は、完了の「な」に「ば」を添えた仮定で、別れてしまったならばの意である。倒置によって嘆きの理由を最後に示している。
いきづく:ため息をつく
こしま:小さな島
- 作者
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笠金村
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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闇ならばうべも来まさじ梅の花 咲ける月夜に出でまさじとや
- 次の歌
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たまきはる命に向ひ恋ひむゆは 君が御船の楫柄にもが