この花の一節のうちに百種の
言ぞ隠れるおほろかにすな
- 歌の意味
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この花の一枝の中には、たくさんの言葉がこもっている。いいかげんに扱わないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第八 春相聞 1456
詞書「藤原朝臣広嗣の桜花を娘子に贈る歌一首」
桜の花の一枝に添えて娘子に贈った歌で、この一枝には言い尽くせないほどの思いが込められているから、おろそかにしないでほしいと訴えている。花を言葉の代わりとして恋心を伝えようとする趣向である。次歌はこれに答えた娘子の歌である。
作者の藤原広嗣は、藤原宇合の子である。天平十二年(740)、大宰府で反乱を起こし、討たれた。
初句「この花の」は、贈った桜の花を指す。
二句「一節のうちに」は、花の一枝の中にの意である。次歌の第千四百五十七首も同じ初句と二句で答え、贈答の二首が同じ言葉で向き合っている。
三句「百種の」は、さまざまな、数多くのの意で、込められた思いの多さを示す。
四句「言ぞ隠れる」は、係助詞「ぞ」と存続の「り」の連体形「る」による係り結びで、言葉がこもっていると強調する。ここで句切れとなる。
結句「おほろかにすな」は、禁止の「な」で、いいかげんに扱うなと念を押している。
ひとよ:花枝の一節、一枝
ももくさ:さまざまなもの、多くの種類
- 作者
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藤原広嗣
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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たまきはる命に向ひ恋ひむゆは 君が御船の楫柄にもが
- 次の歌
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この花の一節のうちは百種の 言待ちかねて折らえけらずや