あしひきの山霍公鳥汝が鳴けば
家なる妹し常に偲はゆ
- 歌の意味
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山のほととぎすよ、おまえが鳴くと、家にいる妻のことが絶えずしのばれてならない。
- 鑑賞
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巻第八 夏雑歌 1469
詞書「沙弥の霍公鳥の歌一首」
山で鳴くほととぎすの声を聞くと、家に残してきた妻のことが絶えず思い出されると詠む歌である。旅の途中か修行の場にあって、ほととぎすの声に誘われて故郷の妻を恋しく思う心が表されている。
作者は題詞に「沙弥」とあるのみで、名は伝わらない。沙弥は出家して間もない修行中の僧である。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「山霍公鳥」は、山で鳴くほととぎすで、呼びかけとなっている。
三句「汝が鳴けば」は、おまえが鳴くとの意で、声が思いのきっかけとなることを示す。
四句「家なる妹し」は、家にいる妻をいい、強意の「し」で思いの対象を強調している。
結句「常に偲はゆ」は、自発の「ゆ」で、絶えず自然としのばれることを表す。ほととぎすの声が人恋しさを誘うという心は、本巻の第千四百六十七首や第千四百七十五首とも通じ合う。
しのふ:思い慕う、なつかしく思い出す
さみ:出家して間もない修行中の僧
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霍公鳥声聞く小野の秋風に 萩咲きぬれや声の乏しき
- 次の歌
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もののふの石瀬の社の霍公鳥 今も鳴かぬか山の常蔭に