ひとり居て物思ふ宵に霍公鳥
こゆ鳴き渡る心しあるらし
- 歌の意味
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一人でいて物思いにふけっている宵に、ほととぎすがここを鳴きながら渡っていく。思いやる心があるらしい。
- 鑑賞
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巻第八 夏雑歌 1476
詞書「小治田朝臣広耳の歌一首」
一人物思いにふける宵に、ほととぎすが鳴きながら頭上を渡っていくのを聞き、鳥にも人の心を思いやる情けがあるらしいと詠む歌である。孤独な心に鳥の声がやさしく寄り添うように感じられている。
作者の小治田広耳は、奈良時代の官人で、伝は未詳である。
初句「ひとり居て」は、一人でいての意で、孤独な状況を示す。
二句「物思ふ宵に」は、物思いにふける宵にの意である。宵は日が暮れて間もない頃をいう。
三句「霍公鳥」は、宵の静けさの中に現れる鳥を示す。
四句「こゆ鳴き渡る」の「こゆ」は、ここを通っての意で、ほととぎすが鳴きながら通り過ぎていくさまをいう。同じ句は本巻の第千四百九十一首にもみえる。
結句「心しあるらし」は、強意の「し」と推定の「らし」で、鳥にも心があるらしいと感じ入っている。本巻の第千四百八十首は、ほととぎすに「心あれ」と呼びかけており、鳥の心を思う歌が並んでいる。
よひ:日が暮れて間もない頃
- 作者
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小治田広耳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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何しかもここだく恋ふる霍公鳥 鳴く声聞けば恋こそまされ
- 次の歌
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卯の花もいまだ咲かねば霍公鳥 佐保の山辺に来鳴き響もす