隠りのみ居ればいぶせみ慰むと
出で立ち聞けば来鳴くひぐらし
- 歌の意味
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家にこもってばかりいると気がふさぐので、心を晴らそうと外に出て耳を澄ますと、ひぐらしが来て鳴いている。
- 鑑賞
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巻第八 夏雑歌 1479
詞書「大伴家持の晩蝉の歌一首」
家に閉じこもってばかりで気がふさぐので、気晴らしに外へ出て耳を澄ますと、ひぐらしが鳴いていたと詠む歌である。晴れない心を抱えた作者が、夕暮れのひぐらしの声に出会う情景が、静かにとらえられている。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。中納言に至り、万葉集の編纂に深く関わったとされ、集中最も多くの歌を残す。
初句「隠りのみ」は、家にこもってばかりの意である。
二句「居ればいぶせみ」は、「いぶせし」に「み」が付いた形で、気がふさぐのでの意である。本巻の第千五百七十首の藤原八束の歌は、雨にこもって外へ出られない恋しさを詠んでおり、こもる心と外へ出る心とが対照をなしている。
三句「慰むと」は、心を晴らそうとの意である。
四句「出で立ち聞けば」は、外に出て耳を澄ますとの意である。
結句「来鳴くひぐらし」は体言止めで、ひぐらしの声を最後に置き、夕暮れの寂しさと慰めとを余韻として残している。
ひぐらし:夏の夕方などに澄んだ声で鳴く蝉
なぐさむ:心を晴らす、気をまぎらす
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が宿の花橘のいつしかも 玉に貫くべくその実なりなむ
- 次の歌
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我が宿に月おし照れり霍公鳥 心あれ今夜来鳴き響もせ