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我が宿に月おし照れり霍公鳥
心あれ今夜来鳴き響もせ

歌の意味
我が家の庭に月が一面に照っている。ほととぎすよ、情けがあるなら、今夜こそ来て鳴き声を響かせておくれ。
鑑賞
巻第八 夏雑歌 1480

詞書「大伴書持の歌二首」
 月の光が庭一面を照らす美しい夜に、ほととぎすに向かい、情けがあるなら今夜こそ来て鳴いてほしいと願う歌である。月の美しさにほととぎすの声が加われば申し分ないという、風雅を求める心が表されている。
 作者の大伴書持は、大伴旅人の子で、家持の弟にあたる。若くして没した。

 初句「我が宿に」は、自分の家の庭を示す。
 二句「月おし照れり」は、月が一面に照っているの意で、存続の「り」で言い切り、ここで句切れとなる。
 三句「霍公鳥」は呼びかけである。
 四句「心あれ今夜」は、命令形の「あれ」で、情けがあれと呼びかける。字余りの句である。本巻の第千四百七十六首では、ほととぎすに「心しあるらし」と感じ入っており、鳥の心を思う歌が響き合っている。
 結句「来鳴き響もせ」は、命令形で、来て鳴き響かせよと強く願っている。

おしてる:一面に照る
作者
大伴書持
出典
万葉集
前の歌
隠りのみ居ればいぶせみ慰むと 出で立ち聞けば来鳴くひぐらし
次の歌
我が宿の花橘に霍公鳥 今こそ鳴かめ友に逢へる時