卯の花の過ぎば惜しみか霍公鳥
雨間も置かずこゆ鳴き渡る
- 歌の意味
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卯の花が散ってしまったら惜しいと思うからだろうか、ほととぎすが雨の晴れ間も待たずに、ここを鳴きながら渡っていく。
- 鑑賞
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巻第八 夏雑歌 1491
詞書「大伴家持の雨の日に霍公鳥の喧くを聞く歌一首」
雨の降る日、ほととぎすが雨の晴れ間も待たずに鳴きながら渡っていくのを聞き、卯の花が散るのを惜しんでいるのだろうかと推し量る歌である。雨の中を鳴いて飛ぶ鳥の姿に、過ぎゆく季節を惜しむ心を見いだしている。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。中納言に至り、万葉集の編纂に深く関わったとされ、集中最も多くの歌を残す。
初句「卯の花の」は、初夏に白い花をつけるうつぎの花である。
二句「過ぎば惜しみか」は、散ってしまったら惜しいからかの意で、疑問の「か」でほととぎすの心を推し量る。本巻の第千四百八十二首は、卯の花が散ってもほととぎすを忘れないと詠んでおり、花を惜しむ鳥と、鳥を忘れない人とが対応している。
三句「霍公鳥」は、雨の中を鳴く鳥を示す。
四句「雨間も置かず」は、雨の晴れ間も待たずにの意である。
結句「こゆ鳴き渡る」は、ここを通って鳴きながら渡っていくの意で、本巻の第千四百七十六首と同じ句である。
あまま:雨の晴れ間
うのはな:うつぎの花、初夏に白い花をつける
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霍公鳥待てど来鳴かず菖蒲草 玉に貫く日をいまだ遠みか
- 次の歌
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君が家の花橘はなりにけり 花のある時に逢はましものを