暇なみ来まさぬ君に霍公鳥
我れかく恋ふと行きて告げこそ
- 歌の意味
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暇がないといっておいでにならないあなたのもとへ、ほととぎすよ、私がこれほど恋しく思っていると、行って告げておくれ。
- 鑑賞
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巻第八 夏相聞 1498
詞書「大伴坂上郎女の歌一首」
忙しさを理由に訪れてくれない相手のもとへ、ほととぎすに飛んで行って、自分の恋しさを伝えてほしいと頼む歌である。夏の鳥であるほととぎすを恋の使いに見立てている。夏相聞の巻頭に置かれている。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。大伴家持の叔母であり、のちに姑ともなった。万葉集に多くの歌を残す女性歌人である。
初句「暇なみ」は、「〜み」の形で、暇がないのでの意である。本巻の第千五百四首の高安王の歌も同じ初句で始まり、そちらは暇がなくて訪ねられない側の嘆きを詠んでおり、待つ側と訪ねられない側とが対をなしている。
二句「来まさぬ君に」は、おいでにならないあなたにの意で、尊敬の「ます」を用いている。
三句「霍公鳥」は呼びかけで、恋の使いとなる鳥を示す。
四句「我れかく恋ふと」は、私がこのように恋い慕っているとの意で、伝えてほしい言葉の内容である。
結句「行きて告げこそ」は、願望の「こそ」で、行って告げてほしいと頼む。本巻の第千五百五首、第千五百六首にもほととぎすを使いとして送る歌が続き、鳥に思いを託す趣向が夏相聞に連なっている。
いとま:ひま、用事のない時
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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筑波嶺に我が行けりせば霍公鳥 山彦響め鳴かましやそれ
- 次の歌
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言繁み君は来まさず霍公鳥 汝れだに来鳴け朝戸開かむ