言繁み君は来まさず霍公鳥
汝れだに来鳴け朝戸開かむ
- 歌の意味
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人のうわさがうるさいので、あなたはおいでにならない。ほととぎすよ、せめておまえだけでも来て鳴いておくれ。朝の戸を開けて待とう。
- 鑑賞
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巻第八 夏相聞 1499
詞書「大伴四綱の宴に吟ふ歌一首」
人のうわさがうるさくて恋しい人が訪れてこないので、せめてほととぎすだけでも来て鳴いてほしい、朝の戸を開けて待とうと詠む歌である。待つ女性の立場で詠まれており、題詞にあるとおり宴の席で吟じられたものである。
作者の大伴四綱は、大伴氏の官人で、大宰府に防人司佑として赴任したことが知られる。
初句「言繁み」は、「〜み」の形で、人のうわさがうるさいのでの意である。本巻の第千五百十五首の但馬皇女の歌も「言繁き里」と、うわさのうるさい世を嘆いている。
二句「君は来まさず」は、あなたはおいでにならないの意で、ここで句切れとなる。前歌の「来まさぬ君」と同じく、訪れない人を待つ心を詠んでいる。
三句「霍公鳥」は呼びかけである。
四句「汝れだに来鳴け」の「だに」は、せめて〜だけでもの意で、恋人の代わりに鳥の訪れを求めている。
結句「朝戸開かむ」は、意志の「む」で、朝の戸を開けて迎えようと言い、待つ心の切なさを表している。
こと:言葉、ここでは人のうわさ
あさと:朝に開ける戸
- 作者
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大伴四綱
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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暇なみ来まさぬ君に霍公鳥 我れかく恋ふと行きて告げこそ
- 次の歌
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夏の野の茂みに咲ける姫百合の 知らえぬ恋は苦しきものぞ