天の川相向き立ちて我が恋ひし
君来ますなり紐解き設けな
- 歌の意味
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天の川をはさんで向かい合って立ち、私が恋い慕っていたあなたが、どうやらおいでになるようだ。衣の紐を解いて待っていよう。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1518
詞書「山上臣憶良の七夕の歌十二首」
天の川をはさんで向かい合い、恋い慕っていた彦星がいよいよ訪れてくるらしいので、衣の紐を解いて迎える支度をしようと、織女の立場で詠んだ歌である。一年に一度の逢瀬を待ちかねる喜びと期待が表されている。左注に「右は、養老八年(724)七月七日、令に応ふ」とあり、皇太子の命に応じて詠まれたことがわかる。ここから十二首の七夕の歌が続く。
作者の山上憶良は奈良時代前期の官人で歌人である。遣唐使の一員として唐に渡り、のちに筑前守となった。人生や社会を見つめた歌で知られる。
なお原文には二句に「一に云ふ、川に向ひて」とする異伝の注記があり、歌の本文ではないため除いた。ここでは本文の「相向き立ちて」の形に従う。
初句「天の川」は、織女と彦星を隔てる川である。
二句「相向き立ちて」は、川をはさんで互いに向かい合って立っての意である。
三句「我が恋ひし」は、私が恋い慕っていたの意で、四句の「君」にかかる。
四句「君来ますなり」の「なり」は、音や気配によって推定する助動詞で、あなたがおいでになるようだと察している。ここで句切れとなる。
結句「紐解き設けな」は、意志の「な」で、衣の紐を解いて迎える支度をしようの意である。
まく:前もって用意して待つ
- 作者
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山上憶良
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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味酒三輪のはふりの山照らす 秋の黄葉の散らまく惜しも
- 次の歌
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久方の天の川瀬に舟浮けて 今夜か君が我がり来まさむ