久方の天の川瀬に舟浮けて
今夜か君が我がり来まさむ
- 歌の意味
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天の川の瀬に舟を浮かべて、今夜こそあなたが私のもとへおいでになるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1519
詞書は前の歌に続き「山上臣憶良の七夕の歌十二首」
天の川の瀬に舟を浮かべて、今夜こそ彦星が自分のもとへ来てくれるだろうかと、織女の立場で待ちわびる歌である。左注に「右は、神亀元年(724)七月七日の夜、左大臣の宅」とあり、左大臣長屋王の邸宅での七夕の宴で詠まれたものである。
作者の山上憶良は奈良時代前期の官人で歌人である。遣唐使の一員として唐に渡り、のちに筑前守となった。人生や社会を見つめた歌で知られる。
初句「久方の」は、「天」にかかる枕詞である。
二句「天の川瀬に」は、天の川の浅瀬にの意である。
三句「舟浮けて」は、舟を浮かべての意で、彦星が舟で川を渡ってくるさまを思い描いている。彦星の舟出は七夕歌群の中で繰り返し詠まれている。
四句「今夜か君が」は、係助詞「か」で、今夜こそあなたがと推し量る。
結句「我がり来まさむ」は、四句の「か」を受けて推量の「む」の連体形で結ぶ係り結びで、私のもとへおいでになるだろうかと待ちわびている。
わがり:私のいる所、私のもと
- 作者
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山上憶良
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天の川相向き立ちて我が恋ひし 君来ますなり紐解き設けな
- 次の歌
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風雲は二つの岸に通へども 我が遠妻の言ぞ通はぬ