秋風の吹きにし日よりいつしかと
我が待ち恋ひし君ぞ来ませる
- 歌の意味
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秋風が吹き始めた日から、いつかいつかと私が待ち恋い慕っていたあなたが、ついにおいでになった。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1523
詞書は前の歌に続き「山上臣憶良の七夕の歌十二首」
秋風が吹き始めた日から、いつ来るかと待ちこがれていた彦星が、ついに訪れてきた喜びを、織女の立場で詠んだ歌である。左注に「右は、天平二年(730)七月八日の夜、帥の家に集会す」とあり、大宰帥大伴旅人の邸宅での集まりで詠まれたものである。
作者の山上憶良は奈良時代前期の官人で歌人である。遣唐使の一員として唐に渡り、のちに筑前守となった。人生や社会を見つめた歌で知られる。
初句「秋風の」は、秋の訪れを告げる風で、七夕の季節の始まりを示す。
二句「吹きにし日より」は、吹き始めた日からの意で、待ち続けた時の長さを示す。
三句「いつしかと」は、いつかいつかと待ち望む心を表す。
四句「我が待ち恋ひし」は、私が待ち恋い慕っていたの意である。
結句「君ぞ来ませる」は、係助詞「ぞ」を受けて存続の「り」の連体形「る」で結ぶ係り結びで、あなたがついにおいでになったと喜びを表す。七夕歌群の初めに訪れを察する歌があったのに対し、この歌は訪れが実現した喜びを詠んでいる。
ひこほし:牽牛星、七夕伝説の男星
- 作者
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山上憶良
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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たぶてにも投げ越しつべき天の川 隔てればかもあまたすべなき
- 次の歌
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天の川いと川波は立たねども さもらひかたし近きこの瀬を