霞立つ天の川原に君待つと
い行き帰るに裳の裾濡れぬ
- 歌の意味
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霞の立つ天の川原で、あなたを待つといって行ったり来たりしているうちに、裳の裾が濡れてしまった。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1528
詞書は前の歌に続き「山上臣憶良の七夕の歌十二首」
霞の立つ天の川原で、彦星を待ちきれずに行ったり来たりしているうちに、裳の裾が濡れてしまったと、織女の立場で詠んだ歌である。落ち着かずに川辺を歩き回る姿に、逢瀬を待ちわびる心の高ぶりが表されている。
作者の山上憶良は奈良時代前期の官人で歌人である。遣唐使の一員として唐に渡り、のちに筑前守となった。人生や社会を見つめた歌で知られる。
初句「霞立つ」は、霞の立ちこめる情景を示す。前歌の「霧」を受け、同じ天の川原の景を霞としてとらえている。
二句「天の川原に」は、前歌の四句と同じ言葉で、二首が同じ場所を舞台としている。
三句「君待つと」は、あなたを待つといっての意である。
四句「い行き帰るに」の「い」は接頭語で、行ったり来たりするうちにの意である。
結句「裳の裾濡れぬ」は、完了の「ぬ」で、裳の裾が濡れてしまったと言い切り、待ちわびる時の長さを具体的な姿で示している。
も:女性が腰から下にまとった衣
いゆく:行く、「い」は接頭語
- 作者
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山上憶良
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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彦星の妻迎へ舟漕ぎ出らし 天の川原に霧の立てるは
- 次の歌
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天の川浮津の波音騒くなり 我が待つ君し舟出すらしも