天の川浮津の波音騒くなり
我が待つ君し舟出すらしも
- 歌の意味
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天の川の浮津の波音が騒がしく聞こえる。私が待つあなたが、舟出をしたらしい。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1529
詞書は前の歌に続き「山上臣憶良の七夕の歌十二首」
天の川の船着き場の波音が騒がしく聞こえるので、待っている彦星が舟出したらしいと、織女の立場で推し量る歌である。耳に届く波音から恋人の訪れを察する、期待に胸躍る心が表されている。七夕の歌十二首の最後の歌である。
作者の山上憶良は奈良時代前期の官人で歌人である。遣唐使の一員として唐に渡り、のちに筑前守となった。人生や社会を見つめた歌で知られる。
初句「天の川」は、二人を隔てる川である。
二句「浮津の波音」は、舟の浮かぶ船着き場の波の音である。字余りの句である。
三句「騒くなり」の「なり」は、音によって推定する助動詞で、騒がしく聞こえるの意である。ここで句切れとなる。
四句「我が待つ君し」は、強意の「し」で、私が待つあなたをと強調する。
結句「舟出すらしも」は、推定の「らし」に詠嘆の「も」を添え、舟出したらしいと推し量る。前の歌で霧を見て舟出を知ったのに対し、この歌は波音で舟出を知っており、目と耳の両方から彦星の訪れを察する歌が並んで、七夕歌群を結んでいる。
うきつ:舟の浮かぶ船着き場
- 作者
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山上憶良
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霞立つ天の川原に君待つと い行き帰るに裳の裾濡れぬ
- 次の歌
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をみなへし秋萩交る蘆城の野 今日を始めて万世に見む