玉櫛笥蘆城の川を今日見ては
万代までに忘らえめやも
- 歌の意味
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蘆城の川を今日見たからには、いつまでも忘れられようか、いや決して忘れはしない。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1531
詞書は前の歌に続き「大宰の諸卿大夫并せて官人等の筑前国の蘆城の駅家に宴する歌二首」
今日蘆城の川を見たからには、いつまでも忘れることはないと詠み、その美しさをたたえる歌である。前歌とともに蘆城の駅家での宴の歌で、野と川とを分けて詠み、土地全体をほめたたえている。
左注に「右二首は、作者未詳」とあり、作者は伝わらない。
初句「玉櫛笥」は、美しい櫛箱の意で、ここでは「蘆城」にかかる枕詞である。
二句「蘆城の川を」は、蘆城の駅家のほとりを流れる川である。前歌の「蘆城の野」と対をなし、野と川とで土地をたたえている。
三句「今日見ては」は、今日見たからにはの意で、前歌の「今日を始めて」と響き合う。
四句「万代までに」は、いつまでもの意で、前歌の「万世に」と同じく永遠を表す。
結句「忘らえめやも」は、可能の「らゆ」、推量の「め」、反語の「やも」で、忘れられようか、いや忘れはしないと強く打ち消している。
たまくしげ:美しい櫛箱、枕詞として用いる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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をみなへし秋萩交る蘆城の野 今日を始めて万世に見む
- 次の歌
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草枕旅行く人も行き触れば にほひぬべくも咲ける萩かも