伊香山野辺に咲きたる萩見れば
君が家なる尾花し思ほゆ
- 歌の意味
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伊香山の野辺に咲いている萩を見ると、あなたの家に咲いている尾花のことが思い出される。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1533
詞書は前の歌に続き「笠朝臣金村の伊香山にして作る歌二首」
旅先の伊香山の野辺に咲く萩を見て、都にいる親しい人の家の尾花が思い出されると詠む歌である。目の前の秋草から、遠く離れた人とその家の秋草へと心が向かい、旅の寂しさと人恋しさがにじんでいる。
作者の笠金村は奈良時代前期の宮廷歌人で、天皇の行幸に従って多くの歌を詠んだ。
初句「伊香山」は、近江国の山で、旅の途中の地である。
二句「野辺に咲きたる」は、野辺に咲いているの意である。
三句「萩見れば」は、萩を見るとの意で、前歌で色鮮やかにたたえた萩を受けている。
四句「君が家なる」は、あなたの家にあるの意で、旅先の伊香山と都の家とを対比させている。
結句「尾花し思ほゆ」は、強意の「し」と自発の「ゆ」で、尾花が自然と思い出されると表す。萩と尾花という秋の花を取り合わせ、旅先と家とを結びつけている。
をばな:すすきの穂
- 作者
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笠金村
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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草枕旅行く人も行き触れば にほひぬべくも咲ける萩かも
- 次の歌
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をみなへし秋萩折れれ玉桙の 道行きづとと乞はむ子がため